「奥州曙光」

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2010年12月1日水曜日

#162 親と子ども
















 中学生の頃、自分のことや友達のことでいろいろ悩む時期がありました。それは成績のことであったり、部活動のことであったり、または顔形や身体に関することであったりと様々でした。もちろん、親に相談したこともあり、逆に恥ずかしくて言えなかったこともあります。
 話をもちかけると、父や母は忙しくても耳を傾けてくれました。どんなに深刻なことでも、「うん、そうか」、「それで、おまえはどう思っているの・・・?」と返されることが多く、答えを教えてくれることは少なかった気がします。しかし、話を聞いてくれた、自分の悩みを分かってもらえたという安心感みたいなものがありました。

 10年以上も面倒を見てきた父や母にとって、子どもがいろいろなことをうまくやれないのは特別なことではなかったのでしょう。最初はハイハイもできなかったのに、やっと立って歩けるようになった。やがて、ようやくトイレも一人でできるようになった。そして今では、部活動を選んで自分なりにがんばっている。どこの家庭にも、ひとつひとつ段階を踏みながら成長する姿を見守ってきた家族の物語があります。父や母はそれを知っています。だから、他の子どもがうまくできることを、自分の子どもがうまくできずにいても、待っていられたのだろうと思います。

 いろいろなことに悩み、時には失敗もするのが中学生という時期です。その悩みを小さなことと突き放したり、失敗やうかつさを責めるのは簡単です。しかし、悩みや失敗で落ち込んでいる気持ちを解きほぐし、明るさや笑顔を取り戻すきっかけをつくってあげるのが大人の役目ではないでしょうか。全国の中学生に、家族や友達や先生方、そして、地域のみなさんの心のあたたかさに触れる機会がたくさんあることを願っています。 

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