「奥州曙光」

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2010年11月13日土曜日

#144 大学は甘えている!
















~~「ゆとり教育」の影響で基礎学力が置き去りにされてきた。
~~その後遺症は深刻である。
~~基礎がないと思考できない。
~~詰め込みでもいいからしっかり学び、
~~その上で、
~~知識を使いこなす力をつける必要がある。

そんなことが、
有名大学の学長クラスの講演でも語られている。
本当にそうだろうか?
そもそも、
ゆとり教育で削除された義務教育の内容は、
しっかりした学生がその気で取り組めば、
一日か二日かでマスターできる程度である。
なにも、
50歳60歳を超えた学長さんが、
目くじらをたてなければいけないような内容・分量ではない。
それよりも、
大学生の学習意欲の欠如のほうが問題であろう。

知りたいときが学習の好機である。
学習の道筋をしっかり教わっていれば、
いつでも、
分かりたいと思ったときに学習できる。
それを身につけさせることのほうが大事であろう。

今の日本は、
何でもかんでも犯人捜しをして、
その犯人に責任をなすりつける風潮がある。
今の大学生は、
書く力、話す力、考える力が劣っていると言われる。
大学生に力が無いのは、
ゆとり教育のせいでもなければ、
義務教育や高等学校教育のせいでもない。
大学生の責任であり、
大学の責任である。
犯人は、
あなた自身である。

もちろん、
私の今、
私の人生、
すべて私の責任である。

2010年11月12日金曜日

#143  鉛色のくじら
















おはよがんす、
まめでらしか~?


今日、
秋田は、
気温7.3℃、
東南東の風、風速 6m/s、
湿度67%、
気圧 1014.6hPa、
曇り空の朝を迎えました。




近頃、
急速に寒くなり、
公園の芝生もすっかり落ち葉で覆われ、
人はみな、
ポケットに手を突っ込み、
コートの襟を立てて足早です。




やがて、
秋田の空には、
鉛色のくじらがやってきます。
1匹、
2匹、
3匹と、
しだいにその数が増して、
空全体が鉛色のくじらで溢れるとき、
秋田に降る白い雨は、
雪に変わります。




もうすぐ!

2010年11月11日木曜日

#142  森鴎外と正露丸  その2











おなじみの薬と言えば、他にマーキュロがある。正しくはマーキュロクロムの水溶液で、通称「赤チン」と呼ばれた。イタズラ盛りの私の手足はいつもキズだらけであったが、その殺菌・消毒に使われたのが「赤チン」であった。同じ殺菌・消毒の目的で使われた希ヨードチンキが茶色なのに対して、色が赤いので「赤いヨードチンキ」の意味で「赤チン」と呼ばれた。ところが、マーキュロクロムの化学式は「C20H8Br2HgNa2O6」で、見てのとおり水銀(Hg)を含む化合物である。そのため、水銀中毒の危険性が指摘され販売が中止になった。

 さて、正露丸である。当時の陸軍では、微生物による感染症などに効くと期待し、脚気などにも効能があると思われていたらしいが、腸の殺菌効果はほとんどない。しかし、大腸の過剰運動を抑える作用が腹痛に効き、腸からの水分分泌を抑え下痢に効くということが明らかになっている。このため、食べ物や飲み物が原因で起こる腹痛や下痢以外に、ストレスや風邪などで起こる軟便など幅広い効果・効能が確認されている。一方、「赤チン」であるが、日本では、製造工程で水銀が発生するという理由から1973年頃に製造が中止された。しかし、常備薬として求める声が多く、海外で製造した原料を輸入して現在も販売されている。また、無色のマキロンが消毒薬として登場し、「白チン」と呼ばれる。

 今も、私の家には正露丸があり、赤チンも白チンもヨードチンキもある。昔お世話になっただけでなく、今もお世話になっており大切にしたい。それは、薬の世界にとどまらず、人間の世界も同じである。

2010年11月7日日曜日

#141 森鴎外と正露丸  その1
















小さい頃、生家に正露丸が常備してあった。ラッパのマークでおなじみのあの薬である。お腹が痛いと言えば正露丸、下痢したと言っては正露丸を服用させられた。さらに、虫歯が痛んだときに、この丸薬を小さく切り取って虫歯の穴の中に詰め込まれた経験がある。しかし、隣家が薬屋さんであったためか、正露丸がよく効くからなのか、それとも、当時、薬はこれしかなかったのか、その辺のところは定かではない。昭和30年代の話である。

この薬、実は、ドイツに留学していた森鴎外が日本に持ち帰ったものだという。そして、軍医であった森鴎外の進言により、日露戦争時には兵士に大量に配布し、軍薬として重宝された。つまり、正露丸の由来は征露丸であり、ロシア帝国を征服するための薬という意味である。その後、大幸薬品が軍から製造販売権を取得し、生産販売を現在まで続けている。こう考えると、正露丸が歴史的にも意味のある薬であることに驚かされる。