「奥州曙光」

「奥州曙光」
【壁紙】第85回全国花火競技大会 大会提供花火

2010年12月29日水曜日

#186 子どもたちへ












・・・・・ベルが鳴る・・・灯が落ちる・・・幕が上がる。
・・・・・そして、スポットライトを浴びて主役が登場する。


あなたは今、その舞台に立っている。
そして家族や地域の人たち、学校の友達や先生が共演者として同じ舞台にいる。
そう、このドラマの主人公はあなたである。
このドラマはあなたの日常生活の物語である。
もちろん、ストーリーもシナリオもなく、場面も背景も、セリフもアクションも、そして、その時々の表情やしぐさまで、すべてあなたのお気に召すままにというか、まったくの自由である。
しかし、昨日と同じ今日はなく、今日と同じ明日もなく、毎日が初舞台である。


人生は舞台だ。
あなたの毎日は、あなたを主人公としたドラマである。
「毎日を、夢のように素敵なドラマに」することもできるし、「平凡な毎日に」することもできる。
また、「こんなドラマは面白くない」と言うことも、「おまえの演技はなんてヘタなんだ」と文句を言うのも自由である。
あるいは、「こんな役はつまらない。もっと素敵な役がいい」と後ろを向いてしまうこともできるだろう。


・・・・・大勢いた人たちが、みんな立ち去る・・・照明が落とされる。

・・・・・そして、一人残ったあなたにスポットがあたる。


あなたは今、舞台の上に一人だけ。そこは、あなたの部屋の中、どこか寂しそうな横顔に後悔のいろが見える。
「さっき、どうしてあんなことを言ってしまったのだろう
・・・」「あいつは、俺のことをどう思ったのだろうか・・・」
「これからも、友達でいてくれるだろうか・・・」
「いや、あいつなら分かってくれるはずだ・・・」と、つぶやきながらベッドにもぐり込む。


人生という舞台には、いろいろなドラマがある。
しかし、忘れてはならないことは、取り返しのつくこととつかないことがあることだ。
自分が主人公のドラマでありながら、自分の思い通りになんかならないことである。
彼も、彼女も、そして、あいつも、それぞれが主人公のドラマがあり、そのドラマの中であなたは脇役でしかないのだ。
そのことを知りつつ、自分に与えられた役割を巧みに演じ、演じきることを楽しめる人が、納得のいく人生を送ることができる。
魅力的な人生は、必ずしも名誉や地位や財産を得ることとイコールではなく、拍手喝采をあびるような大スターになることでもない。
しかし、例えどんな舞台であっても自分に与えられた役を楽しんで演じ、家族や友達と親しみ心豊かに生きられるなら、それに勝る人生はない。


明日もまた、あなたの舞台を楽しみにしてるよ。

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