「奥州曙光」

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2010年10月4日月曜日

#114 中国漁船問題と龍馬伝
















自分の耳を疑うような事は一年のうちに何度もあるものではないが、これには驚かされた。沖縄・尖閣諸島付近の日本領海で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件で、那覇地検は中国人船長を処分保留で釈放した。その理由は「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」という。もちろん、寝耳に水、驚き桃の木山椒の木である。ネットでは、「まるでヤンキーにカツアゲされたお坊ちゃんのようだ。自国の正義も主張できないとは情けない」という書き込みさえされている。

 経済界は、「中国は矛を収めるどころかさらに、揺さぶりを強めてくるのではないか」と危ぶみ、海上保安庁などは「中国漁船が違法操業していても、有効な取り締まりができなくなる」と心配している。さらに、外国メディアは、「日中両国はプライドをかけ、この事件をめぐって半月にわたり外交戦を繰り広げ、中国政府は駐中大使を何度も呼び出し、レアアースの対日輸出停止や日本への観光自粛などを発表して、最終的に日本を屈服させた」と報じているところもある。

 したたか外交の中国政府と外交力の乏しい日本政府という構図が見える。しかし、これが政治問題だけにとどまらないから怖い。それにしても同じ日本の中で、与党と野党が互いに相手の揚げ足を取り、罵倒し合ってばかりでは国が滅びてしまう。さらには、政治家が遵法を主張し、法を守る番人が政治的配慮を理由にするようでは、三権分立も疑わしい。日本国の威信や日本人の誇りをかけて、毅然と対応できるよう、しかるべき協議や指導支援、援護射撃ができるようなしくみが必要である。

 これが、坂本龍馬であったなら、「おまんは、心根の優しい男じゃ」と切り出す。そして、「日本経済やこれからの日中関係のためや思ぅて、船長を解放したんやろ。その気持ちは、よう分かっちょる」と共感を示す。それから、おもむろに、「そやけどなぁ、日本国の領土や正義ちゅう問題は、どうなるんや。中国観光客2000人にドタキャンされた観光ホテルの主人はのぉ、大変な痛手じゃが主権問題だから耐える以外にないと言うちょったぞ」と問題点を明らかにする。そして、最後に、「まっこと強い男はのぉ、どんなに辛かろうとめったなことでは主権を放棄せんものやき」と言い、「なぁ、おまんはどう思うか?」と問いかける。さらに、相手から「そうじゃの~」と同意を引き出したところで、にこやかに「分かってくれたらええがじゃ。ほい、飲みや飲みや」と笑いながら酒を酌み交わす。

 「龍馬伝」が必要なのは、NHKではなくて永田町なのかも知れない。

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