「奥州曙光」

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2010年11月7日日曜日

#141 森鴎外と正露丸  その1
















小さい頃、生家に正露丸が常備してあった。ラッパのマークでおなじみのあの薬である。お腹が痛いと言えば正露丸、下痢したと言っては正露丸を服用させられた。さらに、虫歯が痛んだときに、この丸薬を小さく切り取って虫歯の穴の中に詰め込まれた経験がある。しかし、隣家が薬屋さんであったためか、正露丸がよく効くからなのか、それとも、当時、薬はこれしかなかったのか、その辺のところは定かではない。昭和30年代の話である。

この薬、実は、ドイツに留学していた森鴎外が日本に持ち帰ったものだという。そして、軍医であった森鴎外の進言により、日露戦争時には兵士に大量に配布し、軍薬として重宝された。つまり、正露丸の由来は征露丸であり、ロシア帝国を征服するための薬という意味である。その後、大幸薬品が軍から製造販売権を取得し、生産販売を現在まで続けている。こう考えると、正露丸が歴史的にも意味のある薬であることに驚かされる。

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