「奥州曙光」

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2010年12月20日月曜日

#178 先生、頑張ろう!
















先生という仕事は、子どもの勉強なのだから簡単そうに見えるが、意外に難しい。実は、子どもたちに教えよう理解させようと一生懸命になればなるほど、目の前にいる生徒のことが目に入らなくなる。先生の頭の中は「どんな言葉で説明したらいいか」「黒板にはどう書けば理解してくれるか」「ここで質問が出たら何と答えたらいいか」「私の説明をみんなちゃんと分かってくれるだろうか」などと、自分の教え方ばかりが気になる。つまり、自分の先生としての出来不出来が気になって、肝心の子どもの心の揺れや心理状態に気がつかなくなる。ようするに、「上手な教え方」に気持ちが行っているあいだは、子どもがが見えない。

 その時、子どもたちは「先生の説明を、どのようにノートに書けばいいのだろうか」「計算は、ノートにどう書けばいいのだろうか」「あっ、今の説明をもう一度言ってほしいなあ」「家に帰ったら、何をどう復習すればいいんだろうか」「公式を覚えるには、どうやったらいいのだろうか」などと悩んでいる。しかし、先生は自分の教え方のほうが心配で、それに気づかない。

 では、子どもたちを授業に引きつけ、勉強がわかるようにするには、どうしたらいいのか。それは、授業にできるだけ多くの課題を取り入れて、その課題を子どもたちがどのようにクリアするのか、じっくりと見ることが必要である。学習指導で一番大切なのは、教えることより先に子どもたちの勉強する姿を見ること。子どもと向かい合うのではなく、子どもと並んで座ってみることだ。そうすると、しだいに子どもの心が見えてくる。「なるほど、この子はこんなことを考えていたのか」→だから、今までダメだったんだ。→だから、こんなに優秀なんだ。ということが分かってくる。そうすると「どう教えようか」という悩みはなくなる。しかし今度は、「何を考えさせようか」という悩みが始まる。それが本当の教師の悩みであるべきである。そこに来て初めて、教えることの入口である。いっぱい悩むことだ。その悩みが、先生の教師力を高め、先生の指導力をアップさせ、先生の洞察力を深める。だから、悩みのない先生ほど、いいのではない。逆に、あぶない。

 今年の子どもたちは去年までの子どもたちと違う。来年は、もっと違った子どもたちも入ってくる。だから、先生の悩みに終わりはない。先生の悩みは、先生が教職を去るまで続く。でも、それは先生方にとって、嫌な悩みでないはずだ。それは心地よい悩みで、その心地よさが先生を力づける。日本中の先生たちよ心して頑張ろう!(蛇足だが、永田町の先生方にも、もう少し頑張ってほしい!あなたたちに国民の心が見えていますか?)

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