「奥州曙光」

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2010年11月2日火曜日

#137  コーヒーの生産者価格
















あなたは、今、1キロ当たり何円くらいのコーヒー豆を使っているだろうか。話の都合上、仮にこれがキロ2,400円だとすれば、500gで1,200円となる。ちなみにモカの価格がこれくらいで、ハワイコナだとこの3~4倍のキロ4,200円。ブラジルやコロンビアだとすれば、この半額のキロ1,200円ぐらいだろう。

話を元に戻して、消費者価格がキロ2,400円のコーヒー豆について考えてみよう。さて、このコーヒー豆、現地ではいったいどのくらいの生産者価格かというと、実は聞いてびっくり見てびっくりの仰天価格である。なんと、1キロ当たり15~20セントだ。(1ドル=80円とすると、20セント=16円)その差額の2,384円は、いったい誰の懐に入ってるんだろうって、当然、考えるよね。

ナイロビのIPS通信によると、ケニアのコーヒー農家の現状は、国際価格の下落と中間業者の搾取により、生活が成り立たないほど悲惨らしい。なんとその上、銀行の貸付金利が高く肥料の購入もできない状況で品質が低下し、価格がさらに低下するという悪循環だ。そのため、コーヒー栽培をやめる農家も増えており、現在の生産量は最盛期に比べると半分に減ってしまった。一方では、市場システムがめちゃくちゃで、多数の中間業者が介在するため生産者利益は向上していない。生産者の収入は千キロの収穫で229ドル、1キロ当たり20セントになるが、肥料や使用人賃金で171ドルを投資しているので、実収入は57ドルにしかならないという。(1ドル=80円とすると、4,560円だ)これで10人の子どもを養うなんて無理な話である。

話を整理しよう。私たちが飲んでいるコーヒーは、1キロ2,400円。そのうち、大半はブローカーや商社、輸送や倉庫、焙煎料金などに消えて、生産者に入るのはたったの16円。しかも、その16円から肥料代や使用人の賃金が支払われている。だから、今もウガンダ、ケニヤなどのコーヒー原産国では、飢餓に喘いでいる現状である。では、生産者価格を十倍のキロ160円にしたらどうなるか計算してみた。中間マージンのうちの輸送・貯蔵・焙煎経費は、原料価格が上がっても同じだから、消費者価格が十倍になることはない。しかし、買い付け資金の金利が高くつき、5割程度の値上がりを見込んで計算すると、キロ3,600円くらいだろうか。1杯分の豆を10gとすれば、1杯分24円が36円になる計算だ。喫煙者がタバコの値上げを我慢していることを考えれば、原産国の子どもたちの飢餓を救うためにも、これくらいは我慢できよう!

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