「奥州曙光」

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2010年7月19日月曜日

#66 日本相撲協会と法人改革

 力士や親方による野球賭博、そして、暴力団の大相撲観戦が大きな問題となり、すったもんだの末、4日から名古屋場所が始まった。2名が解雇、関取10名が謹慎となり理事長も代行が務めるなどの臨時措置は、そのためのつじつま合わせであったのだろう。天皇賜杯の表彰もなく、懸賞金も激減した。さらに、長年、放映してきたNHKは実況中継を見合わせ、ダイジェスト放映で国民感情に配慮する姿勢を見せた。

この日本相撲協会は公益財団法人で、現在、公益法人制度改革に伴い、2013年11月までに審査を受けなければ、自動的に解散となる。全国で2万5千もの公益法人があり、この6月末現在で認定認可を申請した公益法人は2.9%にすぎない。残りの約97%はまだ申請もしていない。もちろん、この中に日本相撲協会も含まれる。

 公益法人にとって、その事業活動の継続に重要な疑義を生じさせる状況が認められるときは、会計処理上、注記することが求められている。その疑義には「経常収益の著しい減少」「債務超過」「正味財産が300万円未満」「債務返済の困難性」「事業活動に不可欠な権利の失効」「重要な事業の取引先の喪失」「巨額な損害賠償金の負担の可能性」などとともに、「ブランドイメージの著しい悪化」があげられている。つまり、日本相撲協会は、経常収益が大幅黒字で預金残高が40億円近くあり、30億円を超える国債を保有するなど財務指標上は問題がないにもかかわらず、著しいイメージダウンによって公益認定が危うくなっている。もっとも、日本相撲協会の本来の目的である「伝統文化の維持・発展」にどれだけの役割を果たしているかが問われるが、「補助金や交付金を受けない一般法人になっても、影響がほとんどないのでは・・・」という見方もあり、今後の動向が注目されるところである。

ところで、全国の公益法人は2階の公益法人か、それとも一階の一般法人か、はたまた中2階の非営利法人か、それとも解散か、いったいどこに向かうのかという選択を迫られている。期限は平成23年11月末、今日現在、残り1229日である。どこに向かうにせよ、それぞれのハードルが高く難しい。日本中の公益法人が頭を悩ませている問題である。しかも期限が迫っている。その思案橋にさしかかっているが、経理オンチの私にとって、会計用語が飛び交う話はどうもチンプンカンプンで、出てくるのはため息ばかりである。 

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