「商品を売った後が本当のビジネスだ」と言う。なぜなら、商品を売った時点で仕事が終わるのではなく、その後もお客さんを満足させることを考え続けないと、会社はつぶれてしまう。クレームを受けないことに越したことはないが、どんな商品にもクレームはつきものである。そして、もしクレームを受けたら、迅速に対応すること。その対応が迅速であればあるほど、お客さんの信頼を得る。これがビジネスの基本である。
ビジネスとは、商品を買ってもらうことであり、安心して使ってもらうことであり、さらにそのあとで、信頼していただくことである。以前は、アフターサービスを売り物にしていた企業があった。しかし、今はもう、当たり前の話であり、5年、10年の保証付きという商品もある時代である。
もちろん、教師の仕事はアフターサービス付きである。卒業した子どもと5年後、10年後にバッタリ出会い、「元気だが?何してる?」から始まって、昔話につきあうのも仕事である。たまには、結婚式のスピーチまで頼まれ、嬉しくもあり、苦しくもありっていうところである。さらには、30数年前の教え子に会い、「先生は、先生を辞めた今でも、私たちの先生です」などと厳しいことを言われる。死ぬまでは、おっと、死んでからも、私はかれらの先生なのだろう。ゆめゆめ、かれらの過去を傷つけるような変なことはできない。長島選手みたいだが、生徒と先生の信頼関係は永久に不滅ですって感じである。
さて、このように学校教育というビジネスは、何十年も続く息の長い仕事である。だからこそ、同僚や上司とのコミュニケーションが大事であり、仲間から育ててもらう必要がある。あなたは同僚からも上司からも、買ってもらっていますか?安心して使ってもらってますか?そして、信頼されてますか?昔、上司に怒られしょげていると、先輩がそっとささやいてくれた。「オマエに期待してるから、怒るんだ。相手にしてもらえなくなったら終わりだぞ。」そこで止めたら終わりで、そこから先が勝負だと言う。だから、放課後、暗くなるまで、生徒たちの再実験につきあった。土曜日の午後に、生徒たちと一緒に解剖実験用のカエルを探して、たんぼ道を何キロも歩いた。また、仁別まで出かけて、車のトランクや後部座席に溢れるほどのシダ植物を採取したことも、今になるとなつかしい思い出である。